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あまりこういうネタを書かないのだけれど、さすがに今回は、という感じ。
[日本経済新聞] 小室哲哉さん引退表明 不倫疑惑受け https://t.co/kKwDb0kPXw
— 日経 Top (@nikkei_top) 2018年1月19日
もとメディア側にいた人間として、今回の小室さんのニュースは本当に残念だ。こういう形でメディアの力を使ってほしくなかった。
わたしも彼の音楽に、どれほどの力をもらってきたのかわからない。globeのdeparturesなど、いま聞いても当時のことが鮮明に思い出される。小室さんはたくさんの楽曲を世に送り出していたけれど、globeもTRFも安室ちゃんも鈴木亜美さんも朋ちゃんも、いい曲ばっかりだった。
大量生産であれだけのクオリティが保てるなんて、やっぱり天才だったのだと思う。たとえ当時に比べていまはいい楽曲が作れなかったとしても、彼の送り出す新しい音楽をまだまだ聴いていたかった。
文春に抗議しても、不倫報道は減らない
Twitterを読んでいると、小室さんを引退に追い込んだ文春は何をやっているんだという論調が目立つ。わたしもそう思う。
堀江さんとか、みんなの気持ちを代弁してくれた。
やっとクソ文春のヤバさが大衆に浸透してきたか。結局こうなるしかないビジネスモデル。誰得と言い続けてきたの俺だけ。ベッキーの頃は持ち上げてる奴らばっか。俺だけがベッキーの頃からクソ文春と言い続けてきた。こいつらは調子に乗って部数… https://t.co/EtJLo0na2E
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2018年1月19日
本来、文春には、政治家などの悪事をぜひあばいてほしい。不倫を暴露するための媒体ではないはずだ。
Twitterに溢れる有識者のコメントは、こぞって「今回の小室さんの件で文春はやりすぎた」と批判しているが、文春はやめないだろう。なぜなら、ニーズがあるから。
つまり民主主義的には多数決で決まるため、文春のこうした記事を読んでいる人が多いということは、それを読者は望んでいると理解できる。だから文春がやめる必要がない。
津田さんのtwitterが端的に説明している。
なぜ週刊文春が不倫ばかりやるのかといえば彼らの今のビジネスモデルが主因。ゴシップはdマガジンでよく読まれ、ワイドショーに使用料請求できる。ゴシップをてこにお金に変え紙の部数減カバーしてる訳ね。ネットやワイドショーと共依存関係のモデルだからいくら批判されてもスタンス変えないだろう。
— 津田大介 (@tsuda) 2018年1月19日
その通りだ。昔のスポーツ誌の真ん中に、おじさんが喜ぶようなネタが仕込んであったように、デジタルなら電車の中でも堂々と下世話なネタを読むことができる。その読者心理をちゃんとわかっているからこそ、文春も新潮もこぞって不倫ネタを出し続けるわけだ。
どれだけ「文春を廃刊にしろ!」と言ったところで、ニーズがあるうちは絶対に潰れないのだ。電車であなたの隣に座っている、あなた以外の大多数の人たちはこうした文春の記事の熱心な読者かもしれない。
トランプのときもそうだった
小室さんのニュースに対する有識者の認識と現実には、こんなにも落差があるのかと思ったときに「この感覚、これまでにも経験した気がする」と思った。
そう、トランプ大統領が誕生したときと同じだ。
ニューヨークやカリフォルニアなど、高学歴の人が多く集まる地域では、トランプ支持率は低く、絶対に大統領にならないと言われてきた。
メディアはトランプは当選しないと叫び続けたが、メディアも高学歴の人が集まった集団にすぎなかった。
トランプ大統領を誕生させたのは、学歴のそれほど高くない、田舎の地域の典型的なアメリカ人だった。それが多数決では強かった。
下世話なパワーをポジティブに持っていけないか
文春の優秀な記者たちの労力を使って、こんなくだらない記事をかかせないためにはどうすればいいのか?文春の記者だって、そのために入社したわけではないと思うのだ。
だから、文春を批判する前に、なぜ下世話な話題にニーズがあるのかを今一度考えてみるほうがいい。そして、そのニーズをなくすこと以外、週刊誌の不倫ネタ撲滅には繋がらず、ワイドショーもグルになって下世話ネタを煽る世の中になってしまうように思う。
わたしにも答えはない。下世話ネタを読んでいる人は、よっぽどストレスが多いのか、それとも暇なのかもしれない。
こんなことに熱狂するひとたちのパワーを、少しでも他の生産的なことに使えるような仕掛けをすれば、そのパワーはポジティブに使われれば、日本の経済はもっと良くなるのかもしれない。