社費でMBA留学をした人が、海外から戻って来たら、すぐにやめてしまう。それゆえ、企業がMBAプログラムに送るのを自粛するようになったという話を聞くようになりました。
また、MBAなんて勉強しても仕事に役に立たない。偉そうになって、使いにくくなるだけ、というのもよく聞く話です。でも本当にそうでしょうか?
MBAを勉強したからこそできる仕事を与えているか?
MBAを勉強している間、自社について深く考えます。なぜなら、自社が一番のケーススタディになるからです。そこで納得いかないこと、自分が会社に対して疑問に思っていることの理由が明らかになります。その課題が今の企業は変えられない、変える気がない、となれば、会社を辞めて将来性のある企業に行ってしまうのがごく自然なことだと思います。
また、私のように、起業のノウハウについて叩き込まれますから、起業したくなる人もいると思います。それが離職の理由かもしれませんが、それは社内でそれに相当するような事業を任せれば防げるような気がします。
ですが、よく聞くのは、MBAを取得して来た前と後で同じ仕事をさせているということです。中には、海外で2年も遊んできたんだから、とまったく関係ない仕事をさせるパターンもあるようです。それでは彼らをMBAに送った意味がありません。はやりだからとMBAに行かせた会社にありがちな話です。
上司を教育することも大事
こういう仕事と人材のミスマッチが起こる原因は、彼らの上司うや人事部が、MBAでどんな勉強をしてきたのか知らないからだと思います。知らないから、以前と同じ仕事をさせるわけです。せっかくパワーアップしてきた彼らを適材適所に配置しなかったために辞めさせることになってしまうのは、投資した人材を逃すことになり、会社にとっては不利益しかありません。
だから留学させない、勉強の機会を与えないというのは、もっと本末転倒だと思います。それゆえ、上司および人事部の教育が必要になると思います。少なくともMBAを取得して帰ってきた人材がどんな思いを抱いているのか、じっくり聞く機会をまずは持つ必要があるのではないでしょうか?
MBAの勉強はしたほうがいいのか?
MBAの勉強は仕事で約立つのか?とよく聞かれます。答えはYESでありNOです。正直言うと、直接は関係ありません。なぜなら他社のケーススタディがほとんどだからです。ですが、ボディブローのように勉強したことが効いて来ます。「そういえば、この間の企業はこう危機を乗り切っていた」「あの企業はこういうことをやっているって書いてあったな。弊社でも活用できるんじゃないか?」などとひらめくことがたくさんあります。それを仕事上で本当に実行できたら、生きた勉強として実を結ぶのではないかと思います。私は直接マネジメントに関わるポストではありませんが、それでもMBAという武器を手に入れたのは、今後、仕事を長きにわたって続ける上でとてもメリットがあると感じています。
まとめ
勉強したほうがいいかどうか、と聞かれたら当然YESでしょう。それはMBAに限らず、英語などの語学でも、会計学などの資格でも一緒です。知らないより知っていたほうがいい。仕事とは会社を経営することであり、経営のノウハウを知る経営学は、必須科目。私は文学部でも経済学部でも教養学科の中に基礎的な経営学を入れればいいのに、とMBAぼ勉強を通じて思ったほどです。MBA、すごいお金と時間を投じて取得していくものですが、私は断然行った方がいい、とお勧めしたいと思っています。